以下では、受験当日に特に個人的に留意していた点、役に立った点のみ数点記載するにとどめます。
(1)MEE
・3時間で6問ですので、1問に割ける時間は30分程度しかありません。
・1問につき、10~15分程度で問題読み・答案構成、15~20分程度で答案作成するとの流れで進めました。
・個人的に留意した点としては、以下でした。
①最初の5分程度で6問全部をざっと見てしまい、何の科目か見当をつけておく。(慣れればすぐにできるようになります。日本の試験のように事前に何法の試験と明示・区別して試験実施されるわけではない点なりの対策です。)
②自分が得意な科目(民訴を除くMBE科目)は後に回し、苦手な科目・難しいと感じている科目から先に片付けていく。
・このような方法論を取ったのは、特に3時間終盤、時間がなくなってくると、疲れと焦りで答案の精度が下がっていきます。仮に最後の1問に取り掛かった時点で残り15分しかないとなった場合、時間のプレッシャーも自分を苦しめます。そのような場合でも、僅かな時間さえあればそれなりの答案を作成できると自負できる科目(私の場合は刑法や不法行為法、証拠法などがそれでした。)であれば、気合いさえあれば何とか片付けられます。
・最初に難しいところから片付けていくことで、論理的には時間が経つにつれて自分にかかる負荷は段々と減少していくはずであり、精神的に強くない自分にとっては有効な方法論でした。
※ここは、個人的な特性、性格に左右されると思います。最初に簡単なところを片付けてしまって、余裕を持って難問に当たる方が自分には向いているという方も当然いらっしゃると思います。
いずれにせよ、初動段階のプランニングの重要性ということを考えると、最初の5分程度で3時間という時間の使い方(対処する順番)の戦略を立ててしまうというのがより有効ではないかと個人的には考えています。
(2)MPT
・3時間で2問なので、1問あたり凡そ90分です。
・目安としては、50分程度で全体を読み(事実30分、判例20分)、答案準備、35分程度で答案作成(規範15分、あてはめ20分)とのイメージで取り組みました。
・具体的な方法論は、上記MPTパートで記載していますので、参考にしてください。
・特に2問目で、判例パートに取り掛かったが、想定スケジュールから考えるとあと5分程度しかない、開いてみると読むべき判例が3つもある、というような場合、パニックになりそうになります。
・上記MPTパートに記載のとおり、これまで何十問とMPT過去問演習を繰り返していれば、5分でも3つ読めます。自分が練習してきたことを信じて、冷静に取り組んでいただければと思います。(およそ試験はパニックになって、自分を見失った者から脱落していくものだと思います。)
・私は、同様の状況に陥った際、最後の判例については事案の概要はざっと一瞥しただけで、要するにルールは何なのか、結論を分けた事案の要素は何なのか、規範(と多少のあてはめ)部分だけを抽出することに専念しました。いよいよ時間がないとなった場合、最悪、ルールさえ抽出できていれば、答案にはなります。
・問題の一部として添付されているということは、何らか使われることが出題者側から期待されているということかと思います。そのような最低限の利用でも(=具体的な案件全体は理解できていなくても)合格点には到達できるということを思い出していただければと思います。
(3)MBE
・3時間(180分)で100問ですから、1問平均にならすと約1.8分です。
・ワシントン州では不正防止の観点からか、腕時計の試験会場への持込みも禁止されていました。代わりに大型のデジタル時計(マラソン大会のゴール付近でよく見るようなもの)が試験会場内の何か所かに設置されていました。
・私は、10問解く度に会場内のデジタル時計を確認して、20分以上使っていないか確認するようにしていました。
・MBEは特に時間管理の重要性が高いです。中盤あたりまでに時間を使いすぎていると、それがプレッシャーとなって自分に圧し掛かってきます。時間という重要要素の一つを自分のコントロール下において進めることが肝要です。それさえできれば、後は、自分が持っている実力相応の得点が結果となって返ってくるものと思います。
・特に、最初の3分の1を1時間以内で終わらせるということを個人的には重視していました。
・私の場合、時間がかかるのは、契約法・不動産法(ただし、これらは時間さえかければ正答率が高い傾向にありました。)、時間を稼げるのは、刑法・不法行為法・証拠法でした。本番では科目はランダムで出てきますので、ある程度のセットで捉えて制限時間内に収めていくという感覚が重要かと思います。
・また、①Qを読んだ後、すぐにAを選べた問題、②Qが短い問題、では正答率が高い傾向にありました。Aの段階で過剰に悩まないこと、直感を大事にすること、作問者と同じ感覚になること、に留意するようにしていました。
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初出 2018年11月27日