どんな教材を使えば良い?

以下、私が使用した主な教材を紹介します。参考になる内容があれば幸いです。
非受験者の方が取りあえずざっくり日本・米国の税法を学びたいという場合は、1と2(2)が手っ取り早いかと思います。

1.導入期/税法の知識があまりない方向け
初期段階のあるあるリスクとしては、最初だけやる気に満ち溢れて予備校等の高額講座に申し込むが、途中で諸事情(飽きた、つまらない、他に忙しい事情ができたなど)により中断となり、一定の塩漬け期間を経て、廃棄・売却に至るという流れかと思います。

私としても、その懸念(個人的な実体験ともいいます)から、ひとまず全体を通読してみて「これならやれそうだ」と思えるところまで辿り着くというのが、最初のハードルでした。
前述の項目(前提として必要なスキル)とも関わりますが、導入段階で個人的に役に立った教材は以下のとおりです。

(1)TAC『みんなが欲しかった!FPの教科書3級』の「タックスプランニング」の章
日本の税法の概要を超サマリーで学習したい方向け。わずか72頁で概観できます。ちなみに、FP3級のテキストさえあれば、FP2級までの資格取得は容易でした。

(2)税務大学校『税法入門』、『所得税法』、『法人税法』
日本の税法の基礎を一通り学ぶのに役立ちました。ドメスティック人間としては、まずは日本語で一通り学べるというのが、効率が良かったです。加えて、税大教材の最強なところは無料だということだと思います。

(3)プロアクティブ『USCPA集中講義 税法・ビジネスロー REG』の税法部分
米国の税法の概要を230頁程度で概観できます(日本語)。米国公認会計士試験向けの教材ですが汎用性はあります。米国税法につき「これならやれるかも」との感覚を持てるようになったのも、この教材を通読したあたりからでした。

※前述(前提として必要なスキル)のとおり、会計関連は以下が有用でした。

2.本格学習開始後/メインで使用した教材
以下が本格的に学習開始した段階から使用し、最後まで常時参照した資料です。私のような挫折リスク(専門外であるなど)を抱えていない方は、最初からこちらを利用しても良いと思います。
(1)TAC教材(要点ノート、フォーム集、Gleim)
TACの教材は市販の本も含め、必要知識の凝縮度、分かりやすさ等の点で全般にクオリティが高い印象を持っていますが、今回も期待に違わずでした。
上記3点セット(要点ノート、フォーム集、Gleim)さえしっかり習得すれば、十分合格可能なように思われます。
特に要点ノートは重宝しました。いつも傍に置いて参照し、問題演習等で関連する事項が出てくる度に、要点ノートのどこの論点に関わる話なのかを確認し、ページ数を都度書き込んで知識体系としてリンクさせていくという作業を日常的に行っていました。このあたりは米国司法試験の際の勉強法と同様です。
TACにて教材サンプルが公開されていますので、ご参照ください。

私の場合は、たまたまメルカリで適度なお値段で売却してくれる方が見つかりましたので、そちらから入手しました(にゃほさん、その節はありがとうございました。もしここを見ていましたら)。もっとも、Gleimのオンライン教材が利用できないなど、それなりの不便を伴い、別途米国のオンライン講座(PassKey)を購入するなどしましたので、最初からTACの講座から取得した方が良かったかもしれない、とは思いました。
講座概要(TAC米国税理士)

資料請求(TAC米国税理士)

(2)伊藤公哉『アメリカ連邦税法』
米国の試験教材は、一般に「なぜその制度があるのか」といった制度趣旨には触れられていないことが多く、理解が深まらないという傾向があったため、制度趣旨等の理解を深めるために利用しました。
参考になったポイントなどは、要点ノートにメモして集約し、知識の一元化を図りました。

3.補充教材
上記メイン教材を3周したあたりから、以下教材に手を広げました。
(1)IRSのサンプル問題

本番の傾向を把握するため、Gleimの演習終了後に利用しました(1パート20問)。
こちらの方が本試験の傾向に近いとすると、演習しているGleimの内容は不必要に難しすぎ、問われているポイントにも傾向の違いがあるような印象を受けました(後になって本試験を受けてみて、実際そうでした)。
米国司法試験の事前準備でも感じたことですが、一般に、予備校の択一問題集は事例問題が過剰に長い一方で、本試験ではもっと簡素化された問題が出題される傾向があります。
そのような傾向踏まえ、予備校の問題集を使うのをやめて、本試験で問われた過去問集を使うとの流れが広がっていました。
「普段から難しい事例問題を解いておけば、本番は簡単に感じられるだろう」との配慮かもしれませんが、長文が短文になれば簡易化するという訳でもなく、普段から学習しているポイントがずれていれば、結局正答できません。
Gliemと要点ノートだけに頼らず、より本番傾向に合った問題集を探し始めるようになりました。

(2)Pass Key

上記IRSサンプル問題を演習してみての教訓を踏まえ、新たなテキスト・問題集として購入しました。
全般に、Gleimと比較して短文の問題が多く、学習効果が高かったです。長文だと事例処理に偏りがちですが、短文の一行問題等の場合、これまで誤解していたところ、知識が不足していたところがより鮮明になる実感がありました。
個人的には同じことを何度も繰り返し、それで自己満足してしまう一方で、生産性が下がって行くという傾向があるため、同じテキスト・問題集を何度も繰り返すより、ある程度定着したら、新しい教材に手を広げていった方が、費用対効果が高い気がしました。

4.参考にさせていただいた先人の資料
(1)うりぼう氏の資料
特に各種手続の際に参考にさせていただきました。

(2)福留聡氏の本
特に受験の前後に参考にさせていただきました。

5.その他おまけ/英語学習兼息抜き
英語力強化のため(と称して)、普段から食事や息抜きの時間に以下など観るようにしていました。米国税理士の話に関係なく、英語力を強化されたい方全般にお勧めです。

(1)洋画
英語字幕or字幕なしで観る。
アマゾンプライムだと、アマゾンオリジナルの洋画・ドラマは英語字幕が付いているものが多いです。
ネットフリックスだと、英語字幕が付いているコンテンツはより多いように思います。

(2)Youtubeの海外チャンネル
英語字幕or字幕なしで観る。
自分の中では自然淘汰の結果、コメディ(スタンド・アップ、コント系)が次第によく観るものになりました。
昔は人間社会の深淵を覗き込むようなシリアスな映画・ドラマが好きだったのですが、年齢でしょうか(当方40代)、人間社会の深淵を覗き込むのは現実社会だけで十分だと感じるようになりました。
以下などは、お勧めです。
Louis CK

Key & Peele

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