米国弁護士が選ぶ法律・法廷映画ベスト18

法律・法廷映画は、法律について考えさせるもの、未知の世界を垣間見れて勉強になるもの、単に圧倒されるもの(笑)など、名作が多いです。
以下、個人的に印象に残っており、一般にも評価が高い18作品をピックアップして紹介します(専門的に学習している訳ではない方々を主に想定しています)。
まだ観ていないものがありましたら、お勧めです。
(経済・ビジネス映画16選はこちら。)

1.ア・フュー・グッドメン(1992)

引用元 ソニー・ピクチャーズ

※アマゾン、ネットフリックスで配信が確認できた作品にリンクを付しています。
予告編

(1)概要
・キューバの米軍基地で起きた海兵隊員への暴力制裁・死亡事件を巡り、その軍法会議の進展を追った法廷サスペンス。
・監督はロブ・ライナー(『スタンド・バイ・ミー』など)、出演はトム・クルーズ、ジャック・ニコルソン、デミ・ムーア、ケヴィン・ベーコン、キーファー・サザーランドと超豪華。
(2)評価

アカデミー賞受賞
アカデミー賞ノミネート 作品賞、助演男優賞、編集賞、音響賞

※製作国のアカデミー賞に限定して記載しています。
(3)一言コメント※
・法廷を担うハーバード卒のエリートと、自らの命を削って国民の安全を守っているという叩き上げ軍隊幹部のプライド、最前線駐屯地に派遣されている我々こそエリートであるという海兵隊員の誇り。それぞれがぶつかり合って重厚な人間ドラマを織りなします。
・登場する弁護士たちが格好良く、この映画を観て弁護士になろうと決めたという人も。
・訴訟とはサイエンス(科学)というよりアート(技術)であるとしばしば言われます。特に米国ではそれが一層徹底していて、さながらスポーツのように見えたというのは筆者が最初に観たときの感想でした。
・ジャック・ニコルソンの迫力は流石です。笑
※以降、「一言コメント」欄は、ネタバレも一部ありますので、お好みによっては鑑賞後にご覧ください。

2.ショーシャンクの空に(1994)

引用元 ワーナー・ブラザース

予告編

(1)概要
・妻を殺害した罪で投獄された若き銀行の元副頭取が、腐敗した刑務所の中でも希望を捨てず、獄中生活を生き抜く人間ドラマ。
・原作はスティーブン・キング『刑務所のリタ・ヘイワース』、出演はティム・ロビンス、モーガン・フリーマンなど。
(2)評価

アカデミー賞受賞
アカデミー賞ノミネート 作品賞、主演男優賞、脚色賞、撮影賞、編集賞、録音賞、作曲賞

(3)一言コメント
・冤罪で投獄という意味では司法制度にも関わります。長期に渡ると社会復帰が難しくなるという刑務所の問題も描かれています。
・『フォレスト・ガンプ』や『パルプ・フィクション』と同時期の公開となった不運もあり、公開当初の興行はイマイチでしたが、じわじわと人気が広がり、今や「好きな映画」アンケートで必ず上位に挙がる、世界で愛される名作になっています。本当に良いものが見落とされなかったという意味で、経緯も興味深いです。
・どんな環境に置かれても諦めず、希望を持ち続けることの大切さ、友人との絆、といった辺りが人々の心に響いた核心かと思います。心が弱っているとき、生きるのが嫌になったときに観る映画としてもお勧めです。

3.シカゴ(2002)

引用元 アマゾン

予告編

(1)概要
・1920年代のシカゴを舞台に、スターを夢見る女性が殺人事件を起こして収監されるも、マス・メディアを通じて人気者になっていくというミュージカル・コメディ。
・原作は『キャバレー』を演出したボブ・フォッシー。メイン・キャストは、レニー・ゼルウィガー、リチャード・ギア、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ。舞台版はブロードウェイ・ミュージカルの最長上演記録を保有。
(2)評価

アカデミー賞受賞 作品賞、助演女優賞、美術賞、衣装デザイン賞、音響賞、編集賞
アカデミー賞ノミネート 主演女優賞、助演男優賞、監督賞、脚色賞、撮影賞、歌曲賞

(3)一言コメント
・今回の17作品の中では唯一のミュージカル。テンポの良さは抜群です。
・殺人、売春、酒、麻薬と何でもありで、人気者になりさえすれば勝ちというショー・ビジネス界と大衆の移り気をシニカルに描いた作品(「この街では、銃弾一発で有名になれる」がキャッチ・コピー)。
・リチャード・ギア演じる刑事弁護士が、不遇な生い立ちストーリーをねつ造し、メディア戦略を使って被告人の無罪を勝ち取るという辣腕ぶりを発揮します。新聞・ラジオを通じて大衆の同情を煽るというのが基本戦略で、やってることは弁護士というより芸能プロダクションに近いような。
・「この世は所詮サーカスに過ぎない」というのは、それはそれで一つの達観かも知れません。「自分の悩んでいることなど小さい」と思わせてくれる懐の深さがあります。悩み事があるときに観る映画としてもお勧めです。

4.クレイマー・クレイマー(1979)

引用元 ソニー・ピクチャーズ

予告編

(1)概要
・自立を求めて5歳の息子を残して家を出た母と、取り残された父と息子に起こる様々な物語を描いたヒューマン・ドラマ。
・出演は、ダスティン・ホフマン、メリル・ストリープ、ジャスティン・ヘンリーなど。
(2)評価

アカデミー賞受賞 作品賞、監督賞、脚色賞、主演男優賞、主演女優賞
アカデミー賞ノミネート 助演男優賞、助演女優賞、撮影賞、編集賞

(3)一言コメント
・前半は父と子が2人だけの生活に順応していく奮闘劇、後半は母親が起こした親権(監護権)訴訟への対応です。
・両当事者が攻撃防御を尽くし、裁判所が公平な判断をするという構造になっている建前上、代理人弁護士は自分の仕事を一生懸命やっているだけなのでしょうが、相手が親として不適格であることを示そうと、細かなミスをあげつらい、どんどん醜い争いに陥って行きます。法廷の内外で優しい表情を見せる本人同士の関係の方が、むしろ救いになります。
・この種の訴訟を見ると、今後お互いに顔を合わせることもないという関係なら良いのでしょうが、そうでない場合、当事者の信頼関係を粉々にまで砕いている弁護士の方が、むしろ害悪なのではないかとすら思えて来ます。
・子供目線で見れば、両親の都合で一方親との関係を断絶させられるというのは不合理ですので、両親との関係ができるだけ継続されるよう配慮されています。ガラパゴス化が進んでいる日本と比べると、隔世の感があります。
・家族制度、訴訟制度につき考えさせられる名作です。

5.12人の怒れる男(1957)

引用元 アマゾン

予告編
※上記アマゾンの▷(予告編を観る)をクリックして予告編を視聴可

(1)概要
・父親殺しの罪に問われた少年の裁判で、陪審員が評決に至るまでの様子を描いた、密室劇の金字塔。
・監督はシドニー・ルメット(『狼たちの午後』、『評決』など)。ヘンリー・フォンダ主演。
(2)評価

アカデミー賞受賞
アカデミー賞ノミネート 作品賞、監督賞、脚色賞

(3)一言コメント
・「大勢で議論すれば、正しい結論に到達できるか」と問われれば、「何を議論するかによるし、誰が議論するかにもよる」(ついでに言えば、「正しい」とは何かにもよる)というのが素朴な回答の一つではないかと思います。
・陪審員の評議中、「これが民主主義の素晴らしいところだ。この国が強い理由はここにある」という趣旨の発言が出てきます。複数の価値観がある中で国の将来の政策を選挙で決めるような場合は確かにそうなのでしょうが、陪審裁判というのは真実発見が明確な課題として設定されていますので、褒め称える場面がちょっと違うのではないか、という気はしました。
・実際、劇中でも終始議論をリードしたのはヘンリー・フォンダ演じる陪審員8番ですし、他の人に合わせて立場を二転三転するだけの人も散見されました。
・歴史的にも、米国で陪審制が採用されたのは、少数の権力者(裁判官)の独断で自分の刑罰とかを決められたくないという自由主義的な発想の方が強かったように思います。
・その意味では、目的が真実発見であるならば、そのための手段は、必ずしも陪審制(民主主義)でなくても、ゴール(真実発見)により近付ける方法であれば構わない、ということになるのが本来のような気もします。
(現に、世界では職業裁判官が事実認定を行っている国もありますし、ビジネスの世界では、より専門知見のある人に判断してもらいたいとして、仲裁が選択されることも多いです。)
・いずれは、全ての事実認定をデータベース化してAIが判断した方が「真実」により近付けるという日も来るかもしれません。

6.判決、ふたつの希望(2017)

引用元 アマゾン

予告編

(1)概要
レバノンに住むパレスチナ人(イスラム教徒)とキリスト教徒との間に起こったベランダからの水漏れを巡るトラブルが、報道を通じて国全体を巻き込んだ政治問題に発展して行ってしまう経過を描いたドラマ。
(2)評価

アカデミー賞受賞
アカデミー賞ノミネート 外国語作品賞

(3)一言コメント
・当事者は自分にも非があったことを認め、相手を気遣う様子を見せているのに、弁護士が紛争化させ、関係をより悪化させていくのが印象的です。争いによって得をしているのは誰なのか、と考えさせられる展開。
・より大きな論争になって、裁判所にマスコミが駆けつけるようになると、弁護士が活き活きし出します。笑
・全体を通じて描かれた対比を一般化してみると、こんな感じかと思います。

争いを複雑化させるもの プライド、頑固さ、怒り、理念、歴史、政治、宗教、民族、プロパガンダ、被害者意識、争い事で稼ぎたい弁護士
和解へと導くもの 人情、相手を気遣う優しさ、内省、同情、共感、集団ではなく個人への着目、依頼人の長期的な利益を考えられる弁護士

・終盤に出てくる、争いを緩和させることとなる当事者のやり取りは示唆に富みます。90分観る側にフラストレーションを溜めさせて、ラスト30分でカタルシスへと持ち込むという監督の人心操作術は巧みです。笑
・法廷ストーリーに歴史や政治を織り込むのは若干の無理がありますが、後味は悪くないのでお勧めです。

7.シビル・アクション(1999)

引用元 アマゾン

(1)概要
1980年代、マサチューセッツ州で起きた環境汚染に対する損害賠償請求訴訟に関わった弁護士の物語。実話に基づく。
(2)評価

アカデミー賞受賞
アカデミー賞ノミネート 助演男優賞、撮影賞

(3)一言コメント
・小さな法律事務所対大企業との構図。拝金主義のアンビュランス・チェイサー(救急車を追いかけて被害者に売込みをする者)だったジョン・トラボルタ演じる弁護士が、次第に環境訴訟に没入していく姿が描かれます。
・事務所の運営資金がなくなり、スタッフも次々と去って行き、たった一人になるまで追い込まれるという点もリアリティあり。通常の民事訴訟の枠組みを超えた終わり方も参考になります。
・アカデミー賞にノミネートされたのは、企業側弁護士を演じたロバート・デュバルの方で、静かで老獪な役柄を演じます。

8.すばらしき世界(2021)

引用元 アマゾン

予告編

(1)概要
13年の刑期を終えて出所した元殺人犯の男が何とか社会復帰しようともがく姿を描いた人間ドラマ。原作は佐木隆三『身分帳』で、実在の人物がモデル。
(2)評価

日本アカデミー賞受賞
日本アカデミー賞ノミネート 作品賞、監督賞、脚本賞、主演男優賞、助演男優賞、撮影賞、照明賞

(3)一言コメント
・刑務所を出て真っ当に生きようとするも現実は厳しいという展開は有りがちですが、主人公を親身に気遣ってくれる人物が次々と現れるのに救われた気分になります。
・役所広司氏が馬鹿正直で真っ直ぐな熱い男を演じていて、見ていてカラッとした一種の爽やかさを感じさせます。
・考えさせられる作品が多い中にあって、鑑賞後の後味が良いという点でも貴重な映画。

9.それでもボクはやってない(2007)

引用元 アマゾン

予告編

(1)概要
・痴漢冤罪事件をテーマに、日本の刑事司法の問題点を描いた社会派映画。
・周防正行監督の『Shall we ダンス?』以来10年ぶりの作品。
(2)評価

日本アカデミー賞受賞
日本アカデミー賞ノミネート 作品賞、監督賞、脚本賞、出演男優賞、助演女優賞、音楽賞、撮影賞、照明賞、美術賞、録音賞、編集賞

(3)一言コメント
・一度痴漢に間違えられると、駅員室→警察→検察→裁判所→有罪というベルトコンベアに乗せられてしまうので、男性は逃げるしかないという趣旨のことが一時言われました。
・当たり前と思っていた日常生活が一瞬にして悪夢と化すという、ホラー映画より怖いホラー。
・刑事司法の問題を種々描いています(罪を認めるまで勾留を続ける人質司法、創作したストーリーに嵌め込んでいくだけの捜査、有罪率99.9%の推定有罪、裁判官の交代により築いた心証が覆される等)。
・「日本の刑事裁判の現実を伝えたかった」、「嫌な思いで映画館を出て欲しかった」と監督が述べているとおり、実際、嫌な思いになります(笑)。きっと最後には正義が現れる筈だと信じつつ、最後まで正義は現れないという絶望感がその根幹かと思います。再現ビデオを作るなど、懸命に支援してくれる良い友人に恵まれるのが救いです。

10.半落ち(2004)

引用元 東映ビデオ

予告編

(1)概要
横山秀夫の直木賞候補作『半落ち』の映画版。
(2)評価

日本アカデミー賞受賞 作品賞、主演男優賞
日本アカデミー賞ノミネート 音楽賞

(3)一言コメント
・全般に、静かに展開していく大人の作品。騒々しくない映画をお求めの方に。
・警察、検察、裁判所と被告人の身柄移送に応じて、それぞれの組織でストーリーが展開していきます。興味ある人にとっては、刑事司法手続の流れを概観できるマニュアルとしても有用かも。笑
・個人的には、本記事執筆前に改めて見返してみて、かつて巨大組織の対立に見えた話は「コップの中の嵐」に過ぎないと気付く一方、普遍的なテーマの方は色褪せないということを感じました(何のために生きるのかなど)。結局、生き続けるのは制度や組織ではなく、ミクロな個人の問題なのかもしれません。

11.ザ・ファーム(1993)

引用元 アマゾン

予告編

(1)概要
・ハーバード大を優秀な成績で卒業し、破格の条件でメンフィスにある税務を専門とする弁護士事務所に採用されるが、やがて事務所の裏の顔が見えてくるというサスペンス映画。
・原作はジョン・グリシャムの『法律事務所』。出演はトム・クルーズ、ジーン・ハックマンなど。
(2)評価

アカデミー賞受賞
アカデミー賞ノミネート

(3)一言コメント
・ジョン・グリシャムの出世作にして代表作。
・世間知らずだったエリートが社会に出て壁にぶつかり、やがて個として戦うことを覚えていくという若者の成長物語でもあります。
・税務の専門事務所ということで、ケイマン諸島が舞台として出てきます。タックス・ヘイブンの活用が世界で注目を浴びるようになったのはこの映画より後だったと思われ、改めて見返してみて、結構先駆的な内容を扱っていたのだなと別のところで感心しました。笑

12.エリン・ブロコビッチ(2000)

引用元 ソニー・ピクチャーズ

予告編

(1)概要
・学歴なし、財産なし、バツ2のシングル・マザーが、大企業を相手に環境汚染訴訟で史上最高額の和解金を勝ち取るまでを描いた映画。実話に基づく。
・監督はスティーブン・ソダーバーグ。ジュリア・ロバーツ主演。
(2)評価

アカデミー賞受賞 主演女優賞
アカデミー賞ノミネート

(3)一言コメント
・PG&E(カリフォルニア州のガス・電力会社)が実名で登場します。
・自分の足を使って証拠を集めてきて、地域住民に提訴を促すという逞しさ(と時間的余裕)は、日本ではあまり見られないとの声も。
・『シビル・アクション』でも描かれている公害訴訟の難しさ(原因物質の特定と因果関係の証明)を考えると、行政の調査結果で既に大部分のお膳立てが整っていたという状況は、かなり運が良かったケースと言えるかも知れません。
・主役が弁護士ではなく、パラリーガル兼秘書的な立場というのも小気味良さにつながっています。人情の機微に通じるなど、随所で重要な役割を果たします。

13.ブリッジ・オブ・スパイ(2015)

引用元 20th Century Studios

予告編

(1)概要
・ニューヨークで拘束されたソ連のスパイを巡る刑事裁判と、米軍機撃墜事件でソ連の捕虜となった兵士の解放交渉に奔走する弁護士の物語。実話がベース。
・スティーヴン・スピルバーグ監督、主演はトム・ハンクス。
(2)評価

アカデミー賞受賞 助演男優賞
アカデミー賞ノミネート 作品賞、美術賞、脚本賞、作曲賞、録音賞

(3)一言コメント
・タイトルを見て、スパイものかと思って見始めると、がっつり弁護士ものだったというトリック。笑
・「なぜ犯罪者の弁護をするのか」とは、刑事弁護に関して素朴に寄せられる疑問の一つですが、「この国の司法制度は人々を見捨てないという証を示す」、「誰であれ弁護される権利がある」という劇中出て来るセリフは、それへの模範解答の一つかと思います。
・単なる法廷劇に留まらず、米国の兵士がソ連で拘束されたことで、後半は捕虜の交換交渉という、政治も絡む問題に発展していきます。法律を武器にできない、地頭と経験・総合力が試されるような交渉で、担当した弁護士は職務冥利に尽きたかもしれません。
・冷戦時代に実際に米ソ間のスパイ交換が行われたというドイツのグリーニッケ橋が出てきます。ベルリンの壁がこれから築かれていく時代の様子も見ることができて、参考になります。

14.真実の行方(1996)

引用元 アマゾン

予告編

(1)概要
・シカゴで19歳の青年が教会の大司教を殺害した罪に問われた刑事訴訟で、無罪を信じて奔走する弁護人の物語。
・エドワード・ノートンの映画デビュー作。弁護人役はリチャード・ギア。原作はウィリアム・ディールの同名小説
(2)評価

アカデミー賞受賞
アカデミー賞ノミネート 助演男優賞

(3)一言コメント
デビュー作でアカデミー賞にノミネートされたエドワード・ノートン他、出演者の演技力に圧倒される映画です。笑

15.キューティー・ブロンド

引用元 アマゾン

予告編

(1)概要
ファッションと彼氏のことしか興味がないお気楽ブロンド娘が、実は努力家で思いやりある強い女性で、自然と味方が増えて行き、結果的に何事にもうまく行くというサクセス・ストーリー。
(2)評価

アカデミー賞受賞
アカデミー賞ノミネート

(3)一言コメント
・気の優しい素直な少女が、意地悪な人間で溢れる世界で自分の道を切り開いて行くというストーリー。弱い立場の者が助け合うという、アメリカの原始的な民主主義の理想像が垣間見れます。元気を貰いたいときにお勧めです。ゴールデン・グローブ賞ノミネート(作品賞、女優賞)。
・ハーバード大が舞台とされていますが、実際の撮影はUCLAと南カリフォルニア大学(USC)で行われた模様。
・一部の方々にとっては、ロースクールでの生活が懐かしく思い出されるかも知れません。笑

16.レインメーカー

引用元 ネットフリックス

(1)概要
・新人弁護士が、白血病を患った依頼人への保険金を巡って、大手保険会社と訴訟で争うドラマ。
・原作はジョン・グリシャムの『原告側弁護人』。監督はフランシス・フォード・コッポラ(『ゴッド・ファーザー』シリーズなど)。主演はマット・デイモン。
(2)評価

アカデミー賞受賞
アカデミー賞ノミネート

(3)一言コメント
・ジョン・グリシャム原作であることもあり、アメリカで民事裁判を手掛ける普通の弁護士像を垣間見れます(弁護士になるまでの経緯、普段どんな仕事・生活をしているのかなど)。それはそれで、結構勉強になるかも。
・有名な弁護士ジョークが出てきます。「弁護士のウソの見抜き方は?」「口が動いたらウソだ」口を動かさないで喋る技術を身に付けなくては。笑
・マット・デイモン演じる新米弁護士の成長物語としても楽しめます。

17.ジャスティス(1979)

引用元 ソニー・ピクチャーズ

予告編

(1)概要
アル・パチーノ演じる若き熱血弁護士が刑事弁護を通じて経験する悲喜交々を描いたドラマ
(2)評価

アカデミー賞受賞
アカデミー賞ノミネート 主演男優賞、脚本賞

(3)一言コメント
・『ゴッド・ファーザー Part2』(1974)の後に公開された作品ですが、こちらは若く溌剌としたアル・パチーノが観られます。笑
・検察官と弁護人が法廷外で交渉して求刑年数を決めているのを初めて観たとき、衝撃を受けたのを覚えています。
・訴訟の大前提をひっくり返す最後の展開には賛否両論分かれるところですが、アル・パチーノの演技力と勢いで乗り切ったような印象。

18.評決(1982)

引用元 アマゾン

予告編

(1)概要
・大手事務所の勢力争いに敗れて追放され、落ちぶれた身となった初老の弁護士が、医療過誤訴訟で再起を図る法廷ドラマ。
・監督は『12人の怒れる男』のシドニー・ルメット。ポール・ニューマン(『スティング』、『明日に向かって撃て』、『ハスラー』など)主演。
(2)評価

アカデミー賞受賞
アカデミー賞ノミネート 作品賞、監督賞、出演男優賞、助演男優賞、脚色賞

(3)一言コメント
・骨子は、出産のために入院した主婦が昏睡状態に陥ったのは医療過誤だったとして争う民事訴訟。
・あまり話題を膨らませ過ぎず、あくまでも本旨に沿って展開していきます。米国訴訟の流れとか証人尋問の準備風景とかを見たい人にはいいかも。
・冷静に見ると、重大な手続違反も散見され(依頼人と協議せず和解を拒絶、郵便箱を壊して手紙を盗み見る、証拠に基づかない評決等)、謎の女性が謎のまま終わるというストーリーの雑さもありますが、80年代の先駆的映画という立ち位置も考えると、他のところの良さでカバーされたということかなと思います。

 

こちらも個人の主観で全体を分類してみるとこんな感じです。
元気が出る映画を観たいときは下半分から、勉強になる作品を観たいときは上半分から、お好みに合わせてピックアップされるとよろしいかと思います。

 

 

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