Coffee Break

このサイトを訪れるのは、日々努力されている最中にいる方が多いかと思われ(法律学は努力型の学問であるという面が特に強いように思います)、ひとときのコーヒーブレイクになればということで、海外のジョーク集からいくつかピックアップしてご紹介いたします。

1.教育ママ
A Jewish mother is walking down the street with her two young sons.

A passerby asks her how old the boys are.

“The doctor is three,” the mother answers, “and the lawyer is two.”

(訳)
ユダヤ人の母親が二人の息子を連れて通りを歩いていた。

通行人が「おいくつですか」と尋ねると。

母親「医者の方は3歳で、弁護士の方は2歳です。」

(補足)
ユダヤ人の母親は、一般に教育熱心であるとのステレオタイプがあるのだそうで。

このジョークの個人的な教訓は、医師・弁護士が、子に就かせたいと母親に思わせる職業であるとの点につき、洋の東西で変わらないということです。

一般に、立派な職業、尊敬を集める職業と思われ易いという事実は、あるのかもしれません。

他方で。

2.弁護士
Two lawyers were talking about business.

“How are you making out?” asked the first.

“Lousy. Business is so bad, I followed an ambulance for twelve miles and when it got to the hospital, I found a lawyer already in it.”

(訳)
二人の弁護士の話。

「調子はどうだい?」

「さっぱりだ。この前もけが人を乗せた救急車を12マイルも追いかけたのに、病院に着いてみたら、弁護士が既にいたんだ。」

(補足)
一般に、弁護士をAmbulance Chaser(救急車を追いかける人(=他人の不幸を商売の種にする人))と皮肉るのは広く見られますが、ジョーク集を見ると、この種の弁護士ジョークが多数出てきます。

法律家の仕事は、元来が人に嫌われやすい面があるということもありますが(そもそもが人々の紛争に関与している)、他方で、ジョークの一般的な効用として、自虐的にこの種のネタを用いることで、場の雰囲気を和らげることができるという面もあるように思います。

海外の弁護士さん達に愛用されることで、この種ジョークが流布・浸透しているのかもしれないと個人的には思われる(思いたい)今日この頃です。

一般に、弁護士がジョークの俎上に載せられるネタとしては、「お金にがめつい」、「口が達者」、「うそつき」などです。次もそんな例。

Client : Can you tell me what your fees are?

Lawyer : Well, I charge one hundred dollars to three questions.

Client : That’s unreasonably expensive, isn’t it?

Lawyer : Yes, now what’s your final question?

(訳)
依頼人:報酬はどれぐらいですか?

弁護士:質問3つで100ドルですよ。

依頼人:それはあまりに高くないですか?

弁護士:ええ、それで、3つ目のご質問は?

It was so cold today. I saw a lawyer with his hands in his own pockets.

(訳)
今日はとても寒かった。弁護士が自分のポケットに手を突っ込んでるのを見たよ。

(補足)
弁護士は他人のポケットに手を突っ込む(=他人からお金をまきあげる)との皮肉。

かくいう次第で、様々な職業・人々を風刺的に描写できるというのは、考えてみれば、健全な文化・批判精神の現れなのかもしれません。気になって、もう少し調べてみました。

3.医者
“Doctor, I’m worried about this operation you’re going to do. Dr. White operated on my friend for lung disease and he died of heart disease.”

“Don’t worry,” said the doctor. “When I treat a patient for lung disease, my patient dies from lung disease.”

(訳)
「先生、手術を受けるのが心配です。ホワイト先生は私の友人に肺の手術をしたのに、彼は心臓の病気で死んだんです。」

「心配しなくて大丈夫。私が肺の悪い患者を扱うときは、彼らは肺の病気で亡くなるから。」

(補足)
医師の発言に神経の太さを見たような。

今日の医学が専門化しすぎているために、自分の専門外のことはよく分からないということを揶揄しているとの説も。

4.公務員
“I hear your husband tried to get a government job. What’s he doing now?”

“Nothing.”

“Oh, didn’t he get the job?”

“Yes, he did.”

(訳)
「ご主人が公務員になろうとされていたと伺ったけど、今はどうしてらっしゃるの?」

 「何もしてないわ。」

 「あら、就職されなかったのかしら?」

 「しましたよ。」

 (補足)
公務員ジョークの定番と言えば、「何もしない」、「不親切」、「手続が多すぎる」などということで。

5.組織
The boss was showing a new employee around the office.

“How many people work here?” asked the new man.

“About half of them,” said the boss.

(訳)
上司が新入社員に事務所を案内していた。

新入社員「何人ぐらいここで働いているんですか?」

上司「半分ぐらいだよ。」

(補足)
新入社員は勤務している人数を聞いているのに対し、上司は勤務しているように見えるうちの半分しか働いていないと返答。

6.コンピュータと人間
“I’ve invented a computer that’s almost human.” 

“How’s that?”

“When it makes a mistake, it blames it on another computer.”

(訳)
「ほとんど人間と言えるコンピュータを発明したよ。」

「どんな?」

「ミスすると、他のコンピュータのせいにするんだ。」

(補足)
人間らしくはありますが、「他人のせいにする人は成長しない」ということは個人的にも感じるところです。私も気を付けます。。

7.ロビンソン・クルーソー
A shipwrecked sailor had spent five years alone on a deserted island.

At last he saw a ship sail near his island.

He made a fire to signal the ship.

The ship stopped and sent a small boat to the island to rescue the sailor.

On the small boat was a pile of the latest newspapers, with the world news.

“Read the newspapers,” said his rescuer, “and see if you still want to be rescued.”

(訳)
難船した船乗りが無人島で5年を過ごした。

とうとう通りかかった船を見つけて、火を起こして合図した。

船は止まり、救出のためのボートを送った。

小さなボートの上には世界の出来事が載った最新の新聞。

「新聞を読みな。」救助員は言った。「それでも救助されたいかい。」

(補足)
映画「セブン」の最後の場面で、モーガン・フリーマン演じるサマセット刑事が述べたセリフが思い起こされました。

Earnest Hemingway once wrote, “The world is a fine place and worth fighting for.” I agree with the second part.

(訳)
アーネスト・ヘミングウェイがかつて言った。「この世は素晴らしい。闘う価値がある」と。後半部分にだけ賛成だ。

8.国民性
Every nation has to write a book about the Elephant:

The German book – A Short Introduction to Elephants, Vol 1-6.

The French book – The Love of the Elephant

The English book – Elephants I have shot on Safari

The American book – How to Make Bigger and Better Elephants

The Japanese book – How to Make Smaller and Cheaper Elephants

(訳)
全ての国が象についての本を出版することになった。以下はその各国タイトル。

ドイツ:「象の研究・序章 1~6巻」 

フランス:「象の恋愛」

イギリス:「狩猟旅行で私が仕留めた象」

アメリカ:「より大きくて上質な象を飼育する方法」

日本:「より小さくて安価な象を飼育する方法」

(補足)
以下はあくまでステレオタイプですが、世界的にはこうしてネタにされるということで。

ドイツ:几帳面で徹底的に研究する。

フランス:恋愛好き。

イギリス:狩猟好き。

アメリカと日本:何をもって是とするかが対照的ですね。内容的には「今は昔」感がありますが。

日本については、これとは別に、「ドイツにおける象の研究の形而上学的分析」といった趣旨のタイトルを述べていた大学教授がいたような。

9.まとめ
上記のような次第で、諸々探っていくと、世界観・社会観・文化観を理解する上で、ジョークには結構奥深いものがあります。

共通する精神として、以下の諺には幾ばくかの真理が含まれているように思われ、個人的にもユーモアの精神を失わないようにしたいと思っています。

“Laugh and grow fat.”

“Good fortune and happiness will come to the home of those who smile.”

“Laughter is the best medicine.” 

-笑う門には福来る

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初出 2019年5月22日