(1)個人的に特に役に立ったもの
①NCBEのMEE過去問 ★★★
・NCBEのオンラインストアで購入の上、2010~2017年の8年分、約120問を演習しました。(ダウンロード版は、1回分で15$)。
・なお、現時点では2009年2月試験から2013年7月試験まで計10回分の問題・解説が無料公開されています。
・演習方法としては、1周目は、以下の作業を繰り返しました。
10分程度 問題文を読み、検討。
15分程度 解説を読む。
25分程度 解説と自分が使っている上記ノートを参照しつつ、自分なりの答案を作ってみる。
・受験勉強に際して、米国において現地受験者が意見交換されているサイト等も多く参照しましたが、現時点では、受験予備校等が作成した問題集を利用されている方が依然として多いかと思います。
・特に解説については、米国司法試験の試験実施団体であるNCBEが自ら公開しているものであり、しばしば分量が多すぎて本試験では到底再現できないと言われるような予備校の「模範答案」を検討するよりも、一次資料たる本教材に当たる方が先決かと考えます。
・本解説を読んで、自分なりに要約しつつ、自分なりの答案にまとめてみるという過程を通じて、実施団体が想定しているような分量・深さの答案が作成できるようになり、ひとりよがりな答案を作成してしまうということもなくなっていったように思います。
・2周目以降は、以下作業を繰り返しました。答案は、120問につき全問作成しました。
5分程度 問題読み、検討。
20分程度 何も見ずに答案作成。
・多くの答案を作成していると、自然と英文作成もできるようになっていきます。1問でも多くの答案を作成することが、特に私のような英文作成に不慣れな方にとっては有益と思います。
・NCBE解説を読む限り、MEEは、いわゆる「あてはめ勝負」というような問題はあまり多くないように感じました。多くは、何が問題になっているか、論点抽出が正しくできて、規範(と少々のあてはめ)がそれなりに書ければ合格点には到達します。
・規範部分は普段から迅速に書けるようにしておくと、本番で時間節約できます。現実的には、論点ごとにいくつかのキーワードを覚えておいて、後はその場で適宜つないで文章作成するといったイメージかと個人的には思われました。
・1回目の不合格で悩みを感じた私は、現地の答案添削サービスも何度か利用しましたが、形式面がIRACになっていないと全く加点されないといったことも度々経験しました。(見出しをIssueの提示代わりに使うのも駄目で、「At issue is …」というような定型形式になっていないと点を付けてもらえないなど。)実際、NCBE解説を検討していると、必ずしもIRACの形式すら要求されていない場合があることにすら気付きます。かように、公式団体が公開している資料を検討することは発見が多く、意義深いと考えます。
・見出しの付け方等も解説を通じて習得できました。
(2)その他、有用だったもの
①BarBri CA州用Essay問題集(個人的に解いたのは約120問)、MEE問題集(近時の問題を検討した程度)
・特にCA州用があてはめが充実しており、参考になりました。(私が利用したJeff Adachi氏の書籍は一般にも人気が高いようでした。)
・ただし、上記NCBE公開の過去問・解説に取り組んだ方が、出題者がどういった論点を重視していて、どこに検討の重点を置いているのかがより分かります。
・上記過去問を利用開始してからは、あまり使わなくなりました。
②Tania N Shah他 What Not to Write
・実際のBar Examで受験者が作成した答案に対してコメントを付けるという独自のスタイル。高得点、低得点の答案の両方の掲載があります。
・1回目の受験で不合格となった際、どうすればMEEを改善できるのかを探るべく購入・検討しました。全般に、有益でした。
・論文科目に悩みがある方は検討されてみてもよいかもしれません。
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初出 2018年11月27日